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もしかして、夫のストレスになっていませんか? ― 自然体で継続できる健康管理とは

一般社団法人 良家のご縁の会 代表理事
株式会社 しあわせ相談倶楽部 代表取締役 村田弘子

創業70年の会計事務所2代目嫁が、税理士の義父の後を継ぎ、医師・士業・経営者のご子息・令嬢のお見合をお世話する。2021年、「事業承継を結婚で解決する」婚活支援を全国に広めるため、良家のご縁の会を設立。
著書「事業承継結婚という家族戦略~経営者は子供をどう幸せにし、次世代につなげるか~」(ラーニングス株式会社)

筆者のご紹介

一般社団法人 良家のご縁の会 代表理事
株式会社 しあわせ相談倶楽部 代表取締役 村田弘子
村田弘子さん

創業70年の会計事務所2代目嫁が、税理士の義父の後を継ぎ、医師・士業・経営者のご子息・令嬢のお見合をお世話する。2021年、「事業承継を結婚で解決する」婚活支援を全国に広めるため、良家のご縁の会を設立。
著書「事業承継結婚という家族戦略~経営者は子供をどう幸せにし、次世代につなげるか~」(ラーニングス株式会社)

妻たるもの、夫には、ずっと健康で長生きしてもらいたいものです。とくに、経営者となれば、 夫の健康には、日頃から心を配っておられる方が多いことでしょう。
経営者の健康状態は、家族だけでなく、社員や取引先のご家族の生活にも影響します。経営者が病気になることは、会社のリスクでもあり、食を預かる妻の責任も重大です。

それでなくても、お酒の場、外食が多く、どうしても不規則になりがちな経営者の毎日...

「健康管理をしたいのはやまやまだけれど、そもそも本人が家にいない」とボヤかれる方もあることでしょう。
仮に夫が家にいたとしても、経営者は往々にして、人からとやかく注意されることを好みません。
では、妻は経営者の夫に、家庭でどんなことを心がけたらよいのでしょうか。

今回は、気になる夫の健康管理について、夫婦の関係性に摩擦を起こさずに、夫の健康を守る方法を、経営者妻の視点でまとめてみました。

忙しいと後回しにしがちな『自分の健康管理』

経営者の生活は、オンとオフの区別をつけづらく、夜も土日も仕事漬けになりがちです。
さらに、後継者が不在となれば、定年なくずっと働かざるをえなくなります。やめたくても、取引先や銀行などとの関係もあり、勇退も簡単ではありません。経営者の身体は、こうして激務に慣れっこになっています。

経営者は、慢性的な働きすぎになりやすく、ストレス管理や健康チェックを後回しにしがちです。その結果、社長の健康問題が原因で、急に企業が倒産するという惨事すら、現実に起きていると聞きます。

このように考えると、経営者たるもの、忙しいから「医者に行かない」とか、「健康診断に行く暇はない」と言っている場合ではないことが、歴然としてきます。
むしろ、定期的な健康チェックも、社長業を長く続けるための、大事な仕事の一つと考えるべきなのでしょう。
しかし、問題は、当の経営者本人が本当に,それを自覚してくれるかどうかです。

口うるさく言うと嫌がられる‥キーマンは「子ども」かもしれません

経営者のご夫婦を見ていると、会社のトップである夫が、家でもイニシアチブをとる、夫唱婦随のご家庭が多いように見受けます。
優しい妻が、どんなに夫に健康診断を勧めても、「そんな時間はない」の一言で交わされ、がっかりすることもあるでしょう。

少なくとも、健康診断や行政が無料で受けさせてくれるがん検診、ワクチンなどを受けるように、なんとか夫を促したいものです。「検診の手紙が届いていますよ」という穏やかなアナウンスくらいは、最低限、皆さまされているでしょう。

わが家の場合は、妻がそう言ったところで、全く聞いてもらえず、見かねた娘が、人間ドッグ受診を強制してくれました。
妻だとスルーされますが、愛娘の言うことには従うようです。夫は、無事、受診しました。子どもからお父さんの身体を心配してもらうのも、ひとつの方策かもしれません。

コロナで変化した経営者の生活

先日、久しぶりに経営者の集まりで外食をした際、ある方が、こんなことを話されて、はっとしました。
「3年前、この店に来た時は、このコース料理を楽に食べられたんだけどね。今日は、おなかがパンパンで、食べきれなかった。コロナの前は、毎晩会食が普通だったから、“飲んで食べて...”に胃が慣れていたんだろうな。」

コロナの前は、仕事がらみの外食、お酒の場が多く、どうしても過度の飲酒、睡眠不足、塩分、糖分のとりすぎなど、妻として心配なことが山積みでした。
確かに、人と会食をする習慣は、ここ何年か激減したかと思います。けれども、今度は逆に、テレワークの導入で、運動不足やコロナ太りが気になる方もあるでしょう。

外食が多いことも心配ですが、お家にこもりがちもストレスがたまりやすく、夫婦の衝突を増やす原因になった家庭もあると聞きます。コロナ離婚という言葉も世間を騒がせました。

そうならないで、夫婦が仲良く、お互いの健康を保つには、無理をせず、摩擦を生まずに続けられる習慣づくりを考えていくのが、得策と言えます。
具体的に、どんなことから始められそうか、身近なところから考えていきます。

妻が無理せず続けられる夫の健康に良い習慣

夫婦で楽しむ朝の散歩、ランニング

筆者の近隣では、毎朝、夫妻で散歩をする方、ランニングする方の姿が見られます。多くはシルバーグレーヘアのご夫婦で、仲睦まじく、ゆっくり散歩される姿は、素敵だなと羨望のまなざしで拝見しています。また、夜にランニングする若いご夫婦たちも見かけます。

忙しい経営者が、平日から、散歩を夫婦の習慣にすることは、並大抵の努力ではないと感じますが、毎日が難しければ、週末だけでもいいでしょう。それが続けられると、精神的なストレスも緩和され、夫婦の間の衝突もなくなり、理想的な健康管理になるはずです。

美味しくて身体によい おうちごはん
お茶・米・味噌にこだわる

病は気からと申します。ほっと落ち着ける家庭の味があれば、それだけでもストレス軽減になり、夫も早くうちに帰りたい気持ちになることでしょう。

そのために、毎日の食生活に欠かせない食材選びにこだわるのも、ひとつです。
とくに、朝一番のお茶がおいしいこと、炊き立てのご飯が甘くてつやがあること、身体がしゃんと目を覚ます、おいしい味噌汁が提供されること。この3つがあると、しゃきっと、気持ち良い朝をスタートできます。

わが家では、知り合いの農家から、お茶やお米、お味噌を取り寄せることもあります。
毎日いただく度に、青々とした農家の風景を思い浮かべ、生産者さんのご苦労を思い、感謝するので、おいしいだけでなく気持ちが豊かになります。夫にも、「どこどこの○○さんちのお米よ」などと話題を提供したりできます。
化学調味料の使われていない、米からこだわった麹みそは、朝の眠気を吹き飛ばします。
当たり前の食事が特別おいしいと味わえること、そこから感謝や喜びがうまれることは、健康の第一歩と言えるかもしれません。

塩分を控える生活

薄味に慣れるには、妻の協力がないとうまくいきません。塩分を控えても満足できるように、酢やレモン、麹などを使って、うまく減塩することができます。
お酢には、塩分が含まれないため、他の調味料に足すことで酸味が物足りなさを補い、恰好の減塩の材料になります。ただし、スーパーで売られているお酢には、食塩が加えられているものもあるので、買うときに裏面の栄養成分表示のチェックが必要です。

お酢には、血圧を下げ、血液をサラサラに、血糖値を下げて疲労回復にも効果があるので、焼き魚に醤油の代わりにかけたり、ポン酢をお酢で割ったり、夫に「塩分をとり過ぎないで」と言わずに、減塩ができます。天ぷらなら、お塩や天つゆのかわりに、レモンを添えます。他にも、お酢には、美肌効果やダイエット効果もあるようで、女性も積極的に取り入れたい食材です。

夫が癒されるマッサージ

「ちょっと肩を揉んで」と疲れているときに言われると、「されたいのはこっち」とイラっとするのが、夫のマッサージです。
しかし、「家では、甘えたい」「ほっとしたい」という男性の本心を考えると、マッサージは、まさにその2つの欲求を満たす、ベストな方法かもしれません。
ですから、できるだけ「今は無理」と断らず、要望にお応えしたいものですが、イライラしながら揉むと、かえってリラックスできなくなり逆効果です。

いきなり肩をぐいぐい揉まず、「疲れていますね」との言葉がけから始め、最初は優しくさすってから揉んでいくと、良いようです。相手に対して「お疲れ様」の労わりの気持ちを、マッサージで伝えるのですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?このほかにも、夫の健康のために妻ができる管理には、清潔な住環境の整備、アロマや、ともに楽しむスポーツや趣味のアクティビティなど、いくらでも思い浮かべることができます。

その中で、一番大事なポイントは、妻が経営者の夫を強制して、精神的なストレスのもとにならないように、そっと夫を健康管理してしまうことでしょう。
健康に関しては、管理されるストレスを感じさせずに、自然体で仲良く継続できる、習慣を身に着けてゆきたいものです。

※本記事に記載の情報は2023年1⽉20⽇現在のものとなり、将来変更となる可能性があります。

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